アジア古来の哲学と自然と芸術

彩流華 華林苑

Sairyuka art and old Asian philosophy rooted in nature.

古流の花だより


 

2023年01月31日(火) 華林苑 花日記

『風神雷神・コンテンポラリー』 北國花展より

 左/ 彩流華 剱(金)の華 椿一色
  絵:『雷神図』
 右/ 彩流華 風(木)の華 椿一色
  絵:『風神図』 
   華と絵/樹心院 華林(廣岡理樹)
   表装/永嶋明(金沢市、「現代の名工」に認定)
解説/江戸時代の俵屋宗達による風神雷神図屏風は尾形光琳や酒井抱一による模写とともによく知られます。同様のテーマの絵はアジアなどで古くからみられますが、両者を対にしたのは日本ならではの感性でしょうか。古代では宗教的なテーマであったものが、近世では芸術のモチーフとなったのも興味ぶかいところです。背後には陰陽五行の哲学があり、江戸の文化人たちがそれに精通していたという事実は今日では忘れられているようです。
 華と絵は、風神雷神の根底にひそむエネルギーの形を、陰陽五行の哲学にそって表現したものです。
 (華林)

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2023年01月31日(火) 華林のブログ

江戸の〝霊的骨格〟 その1

  ここ数年、月の暦=陰暦1月7日「人日」の節句に東京を歩く、という講座をあるカルチャーサロンの主催で開催していただいています。
  今年は九段の筑土神社、大手町の将門塚、外神田の神田明神(神田神社)、という千代田区の3つの場所を電車でめぐり、武道館や靖国神社、皇居のお堀などを横目に見ながら、好天に化かされた気分でかつての江戸の中心地を体感しました。
 出かけるまえに簡単に日本の「御霊信仰」やその深層にある古くからの信仰の流れなどについて説明をさせていただき、次に現場に足を運ぶという順序は「講座」としては分かりやすいものだったかもしれません。しゃべりながら自分の認識を整理してゆくという私の悪い癖も健在です。
 さて、筑土(つくど)神社、将門塚(しょうもんづか・まさかどづか=首塚などとも)、神田明神の3者はもとは同じ現在の将門塚の地にあったのですが、筑土神社と神田神社はそれぞれ現在の地に移ったという歴史があるようです。つまり将門塚だけはもともとこの地にあり続けているのです。そこには紆余曲折の歴史があり、ご興味のある方はネットから多くの情報を得ることができます。
 将門塚は、平安時代に関東で、庶民のために中央政権に反旗を翻した平将門が結局は現在の茨城県で非業の死を遂げたという事件に端を発します。その首級は都へ送られて晒されても目を見ひらいてしゃべり、ついには空を飛んでこの江戸(武蔵の国)の芝崎村、現在の将門塚の地に落ちた、という伝説です。そこで激しいたたりがおこり、高僧がこれを祀って鎮めたナドナド … というのがその概略ですが、さらにこの祟りのような現象は戦後まで折々に続き、それが高層ビルの傍らでずっと手厚く祀られる、という今の姿につながっているようです。
 このような信仰の形を御霊信仰(ごりょうしんこう)とよびますが、ほかによく知られるのは天神様=菅原道真です。今回めぐった筑土神社には平将門のほかに菅原道真も併せて祀られていますが、いってみればよく似た系統の信仰で、少し前の時代に亡くなった菅原道真が平将門の伝承で夢中に登場するのは象徴的な部分ともいえます。平将門も菅原道真も武家にあつく信仰されました。筑土神社にもう一柱祀られるニニギノミコトは明治維新のさいに新政府によって配された神と考えられ、全国に同様のケースは多く明治政府の意図が感じられます。
 御霊信仰の神は庶民に人気の神々が多いようです。菅原道真=天神様は平安時代に都に大きな災いをもたらしたとされますが、今では学問の神様として一番人気といってよいでしょう。その菅原道真が人気になる前は、柿本人麻呂も大きな人気を博していました。中世のころです。和歌の会では人麻呂の軸が飾られ、だんだん人麻呂に代わって菅原道真の軸が飾られるようになっていったようです。この柿本人麻呂も御霊信仰であるという説は強く、道真とはとてもよく似た性格があります。つまり、学問、なかでも和歌・詩に秀でたこと、古代の専横とされることの多い藤原一族と対極にあった、あるいはそう推測されること、などなどです。人麻呂は江戸の街でも火伏せの神としての人気も高かったようです。平将門にも藤原一族を中心とした中央政権に対峙する正義の味方、という性格は強く、御霊信仰にはたんなる「たたり神」ではない、何らかの強い主張をかいま見ることができます。さらに法隆寺の聖霊院、京都・八坂神社の祇園御霊会(祇園祭)などとたどれば、隠されてきた史実やマツリゴトの核心にたどりつくことでしょう。
 御霊信仰は、いってみれば庶民的なストーリー、庶民に分かりやすく教える手段ともいえます。そのうらには、もっと深い、切実な〝霊的な事情〟が隠されています。次回はそのあたりを少し見てゆきたいと思います。
  (樹心院 華林)
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大手町、お堀のすぐそば、三井物産のビルの一部であるかのように存在している「将門塚」。30年くらい前に始めてここを訪れたが、ひょっとしたら現在のほうが参拝者は多いのかもしれない。近年は数度ここを訪れたが、その都度、同じような光景をみかけた、参詣者は切れ目なく、しかしまるで時間を決められたかのように順番に訪れる。混みすぎることもなく、途絶えることもない … 。例外なく熱心にお詣りされる姿も印象的だ。

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ご参加いただいた方々と皇居かいわいを歩く筆者。カラーフィールドさん提供。


 

2023年01月27日(金) 古流の花だより

第48回北國花展が1月14日~22日まで金沢エムザにて開催されました。その2

出瓶された方々です。順不同。
伝統様式花、現代花台作
荒木理芳、能木場理紀
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岡本理敏、小林理啓
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田中理和、田中理紅
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干場成樹、吉田理玲、越野順穂
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2023年01月27日(金) 古流の花だより

第48回北國花展1月14日~22日、金沢エムザで開催されました。その1

北國芸術賞受賞大作、特別大作、その他ここに載せていないものは華林苑花日記に掲載されています。


出瓶された方々です。順不同。
ボックス作
上田 理碧
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森川 理青
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奥田 理和
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山崎 理惠
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2023年01月19日(木) 華林苑 花日記

北國花展より-1

入野月華 「双龍の舞」
彩流華・風の華×二華
 椿一色
絵「龍図」 華林  表装 永嶋明
同展は1月22日まで(終了) 金沢市、金沢エムザ20230119002959-karinen.jpg


 

2023年01月19日(木) 華林苑 花日記

北國花展より-2

東 真華 「禮」
彩流華・火の華
レッドウィロー、赤松、シイノキ、椿
中国古代の祭器・尊式の写しの銅器
書「禮」 東真華  表装 永嶋明
同展は1月22日まで、金沢市、金沢エムザ
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2023年01月19日(木) 華林苑 花日記

北國花展より-3

土橋白華 彩流華・巳型
月の華、椿一色  火の華、赤松一色
軸「西王母」華林
同展は1月22日まで 金沢市、金沢エムザ
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2023年01月11日(水) 華林苑 花日記

北國花展で彩流華と古流の生け花を展示します

 1月14日から22日まで金沢エムザ(石川県金沢市)で開催される北國花展で、華林とその門中による彩流華や古流の生け花が何作か展示されます。
 写真は昨年11月に金沢の華林苑で開催された華林の芸術展から、華林「風神雷神図屏風と五葉松の彩流華」(同展の作品集やユーチューブは制作中です)
 会期は17日までが前期、19日からが後期で大方の作品は入れ替えになります。18日は生け替えのためお休み。(終了しました)
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2023年01月04日(水) 華林苑 花日記

お正月に古い白山社の神前に生けました。

献花:森川理青
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