アジア古来の哲学と自然と芸術

彩流華 華林苑

Sairyuka art and old Asian philosophy rooted in nature.

華林苑 花日記


 

2021年05月20日(木) 華林苑 花日記

五軸(五幅対)

 「五行」はアジア・日本の古い哲学です。ここからさまざまな文化芸道、あるいは宗教のあり方が生まれています。
 五行のそれぞれを、つまり木火土金水の在り方を一筆書きのように『円相』として数年前に描きました。そして昨年の金沢市での花展で、この五軸に華を生けました。よく似たころ、東京・元赤坂でのイベントでは、もう一つの五軸を飾って花を生けました。
 五行を表現するものを左右に一列にならべるのは、鎌倉時代のころからはじまったかと考えています。(調べれば、もっと古いものが出てくるかもしれません)それ以前は、東西南北と中央、あるいはそれを平面的に大きな軸に描く、といったものだったようです。
 たとえば「五壇の法」とよばれるものも、鎌倉時代あたりに左右に一列にならべるようになったのでしょう。ただ、これが五行を意味するということはあまり意識されていなかった場合もあるようで、ならび方が不自然な例もみられるようです。
 室町・東山文化のころの床飾りの図などの史料をみていると、五軸をならべてもっとも荘重な飾り方としています。「五行」とは記されていませんが、当時の常識からいって五行を意味する五軸であったことは間違いないでしょう。
 写真の作品の軸は、向かって左から火・土・金・水・木となっています。そしてそれぞれに合った意味合いの華を生けています。

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