古流の花だより
2021年04月30日(金) 華林のブログ「天」の信仰
アジアの「天」の信仰。
こう言うとき、「天」は北極星、月、そして金星を意味するようです。つまり、太陽は含まれません。
もちろん、太陽も大切なものです。そこで、「天」「太陽」「祖霊」という三つを「三輪信仰」としたのがほんらいの意味と思われます。全国の三輪神社は大和・奈良県桜井市の三輪神社からはじまったものとふつうは考えます。それは正解でしょうが、同じ系譜の信仰ととらえたとき、もっと古い時代ではやや違う順序を想定できるでしょう。
さて、「天」が北極星、場合によっては北斗七星、そして月、金星を同時に指すのは、天における「陰」に対する信仰といえます。金星を純然たる陰とするのは若干の異論があるでしょうが、そこが面白みでもあるでしょう。
「天」は先の回で述べたように地上の「水」とつながります。とくに高い山の水「天池」がその最右翼で、さらにはさまざまな湖などもふくまれます。それは縄文時代からの信仰と思われます。
(写真は2019年10月、富山市にて)
2021年04月24日(土) 華林のブログ
あまかがみ
美しい水に〝天〟が映る、古くからの美意識の極致です。
カガミは本来はヘビの目を意味したようです。カカはヘビ、今でもヤマカガシなどの名前が残ります。
ヘビは龍神を意味し、かなり存在感のある祖霊のこと。たとえばヘビで象徴される三輪山の神様、大物主神は大国主神のことです。蛇体で描かれることが多い伏羲、女カ(ニョカ)はさらに根源的な祖霊神で、日本ではイザナギ神、イザナミ神に比定されます。
アマカガミ・天鏡は天を映すカガミ。北極星や北斗七星、月を映すカガミ、そしてそれは湖や海、高山の池などの美しい水を意味したのです。
天とつながる美しい地上の水、それが龍神の目なのです。
滋賀県の余呉湖は、かつては波ひとつない美しい水面だったと言われます。今では琵琶湖からも水が入り、ややその趣は失われてしまったのかもしれません。でも、やはり圧巻の美しさを見せています。ここに残る羽衣伝説が八人の天女なのは、北極星と北斗七星の数にちがいないのです。
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