華林のブログ
2025年06月22日(日) 古流の花だより擬宝珠の生花(せいか)
2025年06月21日(土) 華林のブログ
江戸の霊的文化と天海 その一 磐梯山
江戸・東京の霊的構造 その26---武蔵の国の中の〝ヤマト〟
宝の山 … の民謡でおなじみの磐梯山(ばんだいさん)に抱かれて、大きな湖、猪苗代湖があります。山地の湖としては本州で一番おおきく、地図でもすぐに目につきます。ここは、前回に指摘した「天池」のひとつであると言えます。
古来の言葉としては、「池」は波が激しくないものを指している場合が多いようです。風がおきたとき、それにつられて美しいさざ波がおきるのが池なのでしょう。いっぽう「湖」では、波がはっきりと規則正しくおきているように思われます。風のふき方にもあまり左右されません。海ほど荒くはありませんが規則正しい波音が聞こえてくるのが湖です。湖は池よりも規模が大きいのがふつうです。
「永き世の遠の眠りのみな目さめ波のり舟の音のよきかな」上から読んでも下から読んでも同じ音となるこの歌は、江戸時代に七福神の絵にそえられて年の暮れに売られ人気だったそうです。七福神は舟に乗っているのが定番の形ですから、これにぴったりの和歌です。また、日本の文化は江戸時代までは和歌などの言葉の文化と切り離せない関係にあったので、その好例でもあります。
連載初期に書きましたが、奥日光の中禅寺湖は江戸時代初期に僧・天海が非常に大切にした場所で、ここのお寺には七福神が厳粛にまつられています。同じく天海がはじめたと言われる江戸市中の幾多の七福神めぐりの中枢でもあるかのような印象です。そんなことを思い浮かべながら中禅寺湖の陽光に煌めく「波」をみていると、舟に乗る七福神に象徴される自然のエネルギーを感じるような思いがします。
さて、江戸幕府の徳川家康から家光までの三代の将軍に深く帰依され大きな事績を残した天海ですが、その生地は会津地方とされます。会津は冒頭の猪苗代湖のちかく、磐梯山のふところにある盆地で、現在の福島県の西部です。
天海は天台宗の僧ですが、天台宗などの密教は山岳修験の側面がことのほか強いので、天海がこの山に大きな影響を受けていた可能性は高いでしょう。
福島県の磐梯山は古くは「いわはしやま」と呼ばれました。ここの古い神社は今でも「いわはし(磐椅)神社」です。「はし」はハシゴと同様の意味、天に通じるヒモロギがたつ山、といった意味でしょう。「椅」が「梯」になって音読みになって「バンダイサン」です。ちなみに、民謡の「宝の山」は仏教的な言いまわしでは「法の山」となりそうです。修験者たちが大きな力を感じた山だったでしょう。また植物相をみても、水が豊富な山であることもわかります。
猪苗代湖では、中禅寺湖と同様に波が美しく踊っています。そして磐梯山の裏側へさらに登っていくと五色沼などの湖沼群があります。今日では自然豊かなリゾート地になっていますが、かつては修験者たちにはたいへん魅力的な場所だったに違いありません。こちらは湖というよりも池です。波は静かで圧倒的に高貴な表情をみせます。
そんな磐梯山のふもとで生まれた天海の足どりは、とくに五十歳代なかばになってからのものがはっきりしているようです。若いころは天台教学のみならず陰陽五行をはじめ多くのことを学んだとされます。興味ぶかいのは、江戸開幕の前夜、天海は川越(埼玉県)の有名な喜多院(当時は無量寿寺)に住んでいました。
磐椅(いわはし)神社。猪苗代湖のちかくにある。あたりは水が豊富な場所で、そのことが植物相にも反映される。
喜多院。埼玉県川越市小仙波町。天海は徳川家康と頻繁に会うようになる直前にはこの喜多院に住したようだ。当時は無量寿寺。
磐梯山、五色沼などの写真は「華林苑花日記」の5月に何項かで掲載されています。
2025年06月19日(木) 華林苑 花日記
なげ入れ調の自由花 柊南天
ヒイラギナンテン(ホソバヒイラギナンテン)を信楽の器に。
近年のグラジオラスは大きなものが多いので、枝ものとのバランスよくやや短かくして生けています。ほかにケイトウ、ハラン。
2025年06月19日(木) 古流の花だより
日本いけばな芸術展より
2025年06月18日(水) 古流の花だより
6月6~8日にいけ花作家協会展が富山新聞高岡会館にて開催されました。
今回は協賛出品と柏葉会富山支部の方々の作品です。順不同です。
協賛出品
森川理青
大作
森沢華穂、水野渡月、竹内倭日
小作
吉野理白、渡邉倭爽、平野美紀穂、吉本春穂
2025年06月18日(水) 古流の花だより
6月7,8日に金沢百万石まつり「お花寄せ」が金澤神社でありました。
献花された方々です。順不同です。
上田理碧、中保理希、成瀬理博
2025年06月12日(木) 古流の花だより
5月29日~6月3日に前期後期で総合花展が香林坊大和にて開催されました。
家元先生は特別大作で福島県いわき市の前方後円墳から出土した『天冠をつけた男子』をイメージした軸に右に彩流華の剣(金)の華を左に彩流華の巳型水の華を椿一色でいけました。後期には「火」のイメージでヘリコニアを付け足しました。詳しくはホームページ、花日記をご覧ください。
以下、出瓶された方々です。順不同です。
前期
大作
上田理碧、河崎理鳳
中作、普通作
田中理和、川口碧由、中村碧穂、長村桜碧
後期
大作
中保理希、山崎理惠、森川理青
中作
入野月華、越野順穂、干場成樹
中作、普通作
土橋白華、東真華、瀧本希奈
2025年06月02日(月) 古流の花だより
速報版・金沢市香林坊大和での花展、後期展分---ガラスの花器に、自由花
中保理希 ほか
写真を大きくするときはクリック、タップしてください
2025年06月02日(月) 華林苑 花日記
後期展分---彩流華・土の華 「渦」の書に
ツバキとアスナロ、下に五色の花
華/東真華 書「渦」/東真華 器/意匠・華林、制作・前田弥富
写真を大きくするときはクリック、タップしてください
2025年06月02日(月) 華林苑 花日記
後期展分---はにわ・七鈴の王と金神/ミロク面 … 速報版・金沢市香林坊大和での花展
前回のつづきです。
「火」のイメージでヘリコニアを付け足しています。陰暦端午の節句を向かえた日に。
椿は若葉を中心に。
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